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イチロー引退会見

昨夜、イチローの現役引退会見をライブで見ました。

質問に答えるイチローの言葉は途中「おかしなこと言ってます?」と聞き返す冷静を含めて的確で、淀みなく応じる様子から、やっぱり全て考え尽くされていると感じました。言葉に無駄がない。

聞いているこちらにも、超越していて理解されにくそうなイチローの考えや感情が、昨夜は一つ一つよく伝わったように思います。

一番印象に残ったのが、次の言葉

 

――今思い返して最も印象に残っているシーンは?

 

「…

 

 その点で、例えば分かりやすい、10年200本続けてきたこととか、MVPをオールスターで獲ったとかは本当に小さなことに過ぎないというふうに思います。今日のこの、あの舞台に立てたことというのは、去年の5月以降、ゲームに出られない状況になって、その後もチームと一緒に練習を続けてきたわけですけど、それを最後まで成し遂げられなければ今日のこの日はなかったと思うんですよね。今まで残してきた記録はいずれ誰かが抜いていくと思うんですけど、去年5月からシーズン最後の日まで、あの日々はひょっとしたら誰にもできないことかもしれないというような、ささやかな誇りを生んだ日々だったんですね。そのことが……去年の話だから近いということもあるんですけど、どの記録よりも自分の中では、ほんの少しだけ誇りを持てたことかなと思います」

 

 

「ささやかな誇りを生んだ日々」とは、ゲームに出られないことが契約上決まっていてもチーム帯同が許され、同じ練習メニューをこなせる待遇であったことを単に言っているのではないですね。

今シーズンのメジャー復帰を目指し、去年5月からシーズンの最後の日まで、メジャー選手たり得る練習をやり遂げているという実感のある日々だったんだと思います。

(これまでのパフォーマンスに遜色ないむしろそれ以上と感じていたのか、逆に体力の衰えを意識していても他の能力でまだ新たな地平を築けると感じていたのか。)

しかし同時に、時が経てば復帰のハードルはますます高くなって行きます。イチローも人です。時にはもう無理だと押し潰されそうになる時間も過ごしたと思います。

そんな中、メジャー復帰のため黙々と努力、練習し、純粋にひたすら挑戦し続けられた日々は、物理的にも精神的にも「ひょっとしたら誰にもできないことかもしれないような、ささやかな誇り」に思えたのではないか。そんなことを想像しました。

 

本当にすごい境地だと思いますが「少しだけ誇り」というイチローの謙虚さがとてもいいです。

イチロー、たくさんの感動とたくさんのことを教えてくれてありがとう!