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30年というスパン

平成元年は大学1年19歳の冬だった。そこから平成30年の記憶は、時系列の細かい混同はあっても大体はっきりしている。今でも19の頃バブル絶頂期の記憶は鮮明だ。それから30年、コンピュータの目まぐるしい進歩で一変した世界があっても、物質的には当時から十分豊かでそんなに変わりがないように思う。

 

連続する記憶を紡げるのは、幼稚園や小学1年生くらいからだろう。自分の小1は1975年、そこから30年遡れば終戦の1945年。日本は焦土で何もない時代だった。自分の就学前、父はログハウスを新興住宅地に新築し、丸太の垣に囲まれた人目を引く家を建てて移り住んだ。幼心に恥ずかしく思ったものだが、それは絵に描いたような幸せな家庭の象徴だった。何もなかったところから夢が形になった30年。

 

こんな分かりやすい30年を、これからの日本でどうしたって描けるとは思えない。令和は、破綻を抱えつつどこへ向かえるんだろう。